Friday, April 07, 2006

コーランにジョークが書かれていたならば

フランス人のイスラム教徒の友達からメールが来た。彼女はモロッコで伊達君子の通訳をしたこともある日本語ペラペラの女性なのだが、強烈なイスラム教信者である。かねてから、俺もアフガニスタンやパキスタン、イランなどのイスラム教国を旅したこともあり、イスラムについて勉強せねばならないと思ったから、コーランを買ってみた。コーランは岩波文庫で上、中、下巻出ていて、井筒俊彦という人が訳したものだ。しかし、コーランを手に入れるのにもいくつかの書店を周れなければならず、日本ではイスラムなどは海の向こうのものであり、全くその生活に関係のないものと捉えられているのだろう。

しかし、コーラン。読む気にならない。仕方ないので古本屋巡りを続け、同じ著者の『イスラーム生誕』という本を手に入れた。200円だった。これがよい。まず文章にリズムがあって読ませる。畢竟、文章という物は書き手の熱が入っているものなら、必ず面白いのだ。まずは、砂漠の民であるベドウィンたちの描写から入る。彼らがいかに現世享楽的な暮らしをしていたか。奪い、殺し、姦淫し、酒を喰らう。そんなベドウィンにも美学はある。寂寥の砂漠にただの血しぶきを求める。強烈な快楽を求める。人生の儚さを憂い、陶酔を求める。

ああこの瞬間を楽しまん
やがては死の訪れる身にしあれば
(詩人アムル・イブン・クルスーム)

そこへムハンマドが現れた。彼は強烈なビジョンを従えていた。

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