Thursday, January 04, 2007

映像流出

さっき、アメリカのPBSをボンヤリ見ていたら、フセインの処刑映像の流出が大問題になっているらしい。俺なんかは、よくぞやってくれたものだ、と思うのだが。PBSの記者は、「この一件はイラクの今の状況をよく象徴している、シェイクスピアンの劇のような」なんたらかんたら言っていた。しかしイラクの携帯電話ってビデオ付きなのかと、変なところで関心していたりした。オーストラリアで俺の使っていた携帯は写真すらもとれないものなので、イラク進んでるな、と。カブールでも、ちょっとした金持ちクラスは携帯電話を使っていたので、さもありなんと思うのだが、しかし。。。ちょっとひっかかる。あまりに不用意ではないだろうか。死刑執行人のなかには、フセインに対して恨みを抱いている者もいるはずで、私的報復を防ぐために、刃物などを持ち込まないかボディチェックをするのが当然だ。どうやって、携帯電話を持ち込んだんだ?おそらく、この映像を撮影した男には確固とした目的があるはずだ。この男が何者で、どの勢力に属しているかで、それはいくらか明らかにされるかもしれない。

いずれにせよ、その男の勇気は認めなければならない。その勇気がなければ、残虐が闇の中に葬りさられるところだった。我々は心して、何が起こったのかを目撃しよう。

http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/mideast/news/20070104k0000m030022000c.html
フセイン処刑:イラク内外で抗議デモ相次ぐ
 【カイロ高橋宗男】12月30日のフセイン・イラク元大統領の死刑執行に抗議するデモがイラク内外で相次いでいる。インターネットを通じて流出したビデオ映像で、イスラム教シーア派の執行人らが死刑執行の際、「地獄へ落ちろ」などと元大統領を罵倒(ばとう)していたことも明らかになり、スンニ派の怒りを増幅させることになった。元大統領の早期死刑執行によって負の歴史に幕を引き、国民和解を促そうというマリキ首相のもくろみは完全に外れた格好だ。
 ロイター通信によると、元大統領の遺体が埋葬された北部ティクリート近郊のオウジャ村には連日、数千人のスンニ派住民が訪れ、元大統領の死を悼んでいる。ティクリートや北部モスルでも数千人規模のデモがあり、参加者は元大統領の肖像画や「殉教者」とあがめる横断幕を手にイラク政府を批判した。中部サマラやバグダッドのスンニ派居住区などでも同様の抗議が行われている。
 死刑執行への抗議はイラク国外にも広がっている。ヨルダンの首都アンマンでは1日、元大統領の長女ラガドさんが1000人規模の抗議集会に出席し、「殉教者サダムへの敬意に感謝したい」と述べた。抗議行動はパレスチナ自治区のヨルダン川西岸各地やインドのカシミール地方などでも行われている。
 イスラム世界の大半を占めるスンニ派の人々の間には、祝祭である犠牲祭(イード・ル・アドハ)の初日に元大統領の死刑が執行されたことへの反発が強い。寛容の精神を示す犠牲祭期間中に、あえて死刑を執行したイラク政府に対する嫌悪感が強まっている。
毎日新聞 2007年1月3日 19時10分 (最終更新時間 1月3日 22時29分)

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